省エネ性と快適性
省エネ性と快適性を両立することは、現代の建築に携わる私たちの大きなテーマです。
少し極端な例を挙げれば、省エネ性だけを追求すれば我慢してエアコンなどの設備を使わなければ良く、快適性だけを追求すれば、逆に設備をどんどん使えば良いということになります。しかし、そのどちらも正解だとは思いません。
また、高気密高断熱を追求していくと、自ずと開口部を小さく、少なく計画することに行き着きます。眼の前にどれだけ素晴らしい景色があったとしても。どれだけ断熱性や気密性が優れていたとしても、それが良い建築だとは私たちは思いません。
大きな開口部を設けるべきところにはしっかりと設けた上で、パッシブデザインに基づいてシミュレーションと検証を繰り返し、省エネで快適な住まいを実現します。
全棟パッシブデザイン
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01
断熱性
快適な室温と省エネルギーを決めるベースになります。断熱性能を上げれば上げるほど室温も一定に近づき省エネ性能も高まりますが、同時に建築コストも上がるためバランスを考えて設定します。
建物全体の断熱性能を表す平均熱貫流率(UA値)0.4以下を目安として、室温と消費エネルギーをシミュレーションした上で最適なバランスでご提案いたします。 -
02
日射熱取得暖房
冬季の日射熱取得を最大限に活用し、室内を暖かく保つことで暖房負荷を抑えることができます。また、夏季は日射熱取得を抑えることで冷房負荷を抑えることができます。
日射熱取得を最大限に活用するためには、適切な窓の大きさや方位、遮蔽物の設置などを考慮し、シミュレーションを行い最適なバランスで設計いたします。 -
03
日射遮蔽
大きく取った南の窓から、太陽熱が室内に入らないように庇やルーバー、ハニカムスクリーン等で日射をコントロールします。
夏の日射熱取得率を表すηAC値が1.0以下を目安として設計しています。断熱性能同様、室温と消費エネルギーをシミュレーションした上でご提案いたします。 -
04
通風
窓の役割は日射熱を取り込むことだけではありません。日射熱取得の窓と風を通すための窓、またそれ以外と目的ごとに整理し、風を入れたり抜くための窓計画を行います。その地域ごとの風向の特性である卓越風に基づいた窓配置や、高窓を設けて上部に溜まる熱を逃したり、中間期の心地よい風を取り込みます。
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05
昼光利用
自然の光で明るい室内に。人が生活するスペースであるLDKや個室については、昼間は照明をつけなくても生活できることを基本とし、吹き抜けを活用し家全体の明るさを確保するなど、敷地の状況に応じてご提案いたします。