EMOTION
情緒的な持続可能性
経年美化
家は竣工した瞬間がピークなのでしょうか。
個人の価値観にもよりますが、少なくとも私たちはそうではないと考えています。
例えば無垢の床のデメリットとして反ったり、板同士の隙間が季節によっては大きくなったり、
物を落とせばへこんだり傷がつくことが挙げられます。
さらに、時々は乾燥や汚れ防止の為に塗装などの手入れが必要な素材です。
しかし、ついた傷や汚れも味わいだと感じられるのが本物の素材が持つ最大のメリットであり、
良い素材を自分たちで手入れしながら使っていくこと、それが愛着につながるのだと私たちは考えます。
素材がもつ本来の風合いが時とともに美しく変化し、一緒に歳を重ねていく家であってほしいと考えます。
カーテンのいらない家
緻密にシミュレーションや検討を繰り返すパッシブデザインでなくとも、
南面の開口部は大きくつくるのが住宅を設計する上での基本的なセオリーと言えます。
しかし、道路の位置や周辺の建物などの状況や立地環境によっては、
安易に南面に大きな窓を設けると人の視線を気にして一日中カーテンを閉めっぱなしの窓になってしまいます。
住宅地の中で計画する場合であっても、カーテンを閉めずとも暮らせるようにプライバシーを確保し、
そこから見える景色をつくることが大切だと考えます。